07.07.07


サキタハヂメ Starting Saw Story 全国Tour 第二弾
〜壮快!北海道編〜
2007.6.1〜6.6



アルバムが出来たら絶対行きたい!と思っていた北海道。出来れば何か所も廻りたいなあと、ずっとウズウズしていました。今回、力を貸してくれたのは、北海道ののこぎり仲間、キッコリーズのカポウさんたち。はじきよとも共演してるし、のこぎりキャンプにも来てくれたし、大親友なのです!北海道の事情には疎い僕らに代って、会場探しからチラシ配り、何から何まで頑張ってくれたのです!レポート始める前にまず大感謝!本当にありがとうございました!
今回、初めてなのは『初サキタ北海道ツアー』ということももちろんだけど、もう一つ大きなチャレンジがありました。それは『僕が単身乗り込み、地元のミュージシャンと一緒に僕の音楽を創りあげるツアー』だということです。いつも関西で一緒にやっているメンバーは大好きだし、彼らと一緒に行けばいいコンサートになるのは分かっているけど、あえてトライしてみたかったんです。何か必ずそこでしかありえないドラマと音楽が生まれるはずだなと思って…。だからあらかじめカポウさんと相談しながら、信頼しているギターの池ちんとピアノの福ちゃんにスコアと音源を送り、少しずつ、でも結果的に20曲以上のコンサート用レパートリーを仕上げて、ツアー前日の全体リハーサルに備えてきました。今、僕の曲は、ギターとピアノがそれぞれ重いリスクを負う(笑)曲が多いから、今回お二人には特に演奏面で頑張ってもらいました。

誰もがうらやむ最高の季節の北海道、着くなり事務所の竹中さんは『ああ!もうこの風だけでゴチソウさまです!』と名言を(笑)。空港まで迎えに来てくれたカポウさんとギターの賢ちゃんと共に、緑に萌える北海道ツアーがスタートしました。で早速、麺好き賢ちゃんお勧めラーメン『ひなた』へ。うーんコクがあるのに爽やか〜。そこからしばらく車を走らせ、芸術の森のスタジオへ。様々な野外彫刻が並び、キューっと吸い込んでしまいたいほど美しい緑に囲まれたスピリチャルな空間。ここで初めて今回一緒に音を出すメンバー全員と顔を合わせました。ギター&スチールギター池田靖司さん(池ちん)、ピアノ&キーボード福由樹子さん、バイオリン&ギター鈴木裕さん(ゆうちゃん)、ギター&ベース古舘賢治さん(けんちゃん)、パーカッション出田寿一さん(いでちゃん)、そして歌&のこぎりはカポウさん!というワクワクする豪華な顔触れ。初めてのスタジオリハも、池ちんのお母さんが作ってくれた『本場函館イカ飯』とかのおかげで(笑)スイスイ進みました。旨いもん強し…。

6時間以上の過酷な(しかし美味しい)リハを終え、さあ、札幌の夜、一杯行けるか!と思いきや、そうはカポウさんが卸しません!何とその後『日本のこぎり音楽協会北海道支部』の皆さんと交流会!という場を設けてくれていたのです。カポウさんは、つい先日立ち上げた、『北海道支部』の支部長なのです。でも、こっちではまだ知られていないのこぎり音楽だろうから、ま、5人くらいとお茶でもする感じかなと思いきや!そうはカポウさんが卸しま…、何と30人も!そのうち20人がマイのこぎりを持参!中には倉本聡さんの富良野塾の倉庫にあったというのこぎり!を譲り受けたといって持ってくる人も。北海道らしいびっくりエピソードやなあ!また、今回大いに力を貸してくれた北海道アコースティックギターサークルのハグネットさんたちも、皆のこぎり買ってるやん!阿鼻叫喚、抱腹絶倒な大ワークショップになりました。会場は通りに面したガラス張りの丸見えスペースだったんですが、道行く人が怪しがって怪しがって(笑)。

さあ、いよいよコンサート初日、朝起きたら、カラッとした雲一つない最高の青空。そういえばまだこっちに来てから青空すぎてまだ雲を見ていない!それくらい気持ちイイんですよ。今日は早速のダブルヘッダー、昼は音楽処というCDショップでインストアライブ。インディーズ、メジャー問わず、特に地元北海道のミュージシャンを大ピックアップしているお母さん的存在の石川さんのお店。出会って5年程になりますが、いつもその大スマイルに元気をもらいます。今回もPA設備ばっちりの店内に、池ちん、福ちゃんにのトリオで。いい音響かせてきましたよ!ハグネットの皆さんも沢山聴きに来てくれて、終わってからまたワークショップ!
夜は美味しいニオイの漂うジャズバー、ジャムジカにて。リハ前の『ツブガイのパスタ』の旨さに気を失いそうになり…。初めてのフルバンド編成で、お客さんも満員。しかし北海道の人ってよく笑ってくれるなあ。しかも笑い声、大きくて通る。やっぱり広いからかな。夜、竹中さんと2人で、このツアーのワクワクする期待感を肴に(ウニは食べたけど)飲みました。

 

二日目もダブルヘッダー。働きますよ!まず、小樽の海を見渡せる吹き抜けのイベントスペース。池ちんの車で札幌から小樽へ。まず小樽駅からすぐの「なると」で『鳥の半身揚げ』をいただき、油モノなのに爽やかな風を体一杯に吹かせ(このレポート、何か美味しいもの食べてばかり読むのムカついて来た?まだまだ続くから)さあ、会場入りしようと思いきや、何とライト付けっ放しで池ちんの車バッテリー上がるの巻!ピンチ!そこに颯爽と現れたバイオリンの裕ちゃん、車からあの『赤と黒のケーブル』をおもむろに取り出しブーン!!OK!うあ〜!かっこいいよ〜!助けあうバンドメンバーの姿は美しいなあ。次のキッコリーズのアルバムジャケットはこれに決まり!無事会場に到着。音の響きが素敵な明るく大きな吹き抜が気持ちイイ場所、何かオペラ座に似てた。たまたま通りかかったお客さんも、「気持ちよかったヨ!」ってCD買ってくれたりして嬉しかったな。

さ、次は砂川はーもにー。簡単に『次』っていったけど、北海道の移動は遠いぜ〜。山と畑に囲まれた美しい場所にある一件家、それがライブハウスなんだって。何でもそこのマスターかなりおもろい人らしい。メンバー、いつもお世話になってる(お世話してる?)らしいよ。時間ぎりぎりだったけど、近所にあるソフトクリーム屋に行きとろけました。
はーもにーは本当に家でした!マスターの渋谷さんは元バンドマン、地元の若手ミュージシャンを大切にするオヤジ的な存在。ライブにはテレビも新聞も取材に来てくれて大盛況。賢ちゃんの歌で「千の風になって〜」上手すぎてわらいそうになったよ。旭川でのこぎりをやってる人も見に来てくれた。行きたいなあ、広がるなあ〜。終わってらかも奥様の手料理で大パーティ。ありがとう!

また、快晴の朝。移動は車だから打ち上げでも必ず誰か飲めない人が出て来る。だから呑みにストッパーがかかる感じなんだけど、さあ、今日はいよいよ泊まり、登別。どうなることやら。(飲みに行くだけじゃないんだが…)札幌でラジオの生出演をすまし、向かう先は、 ネイチャーセンター。子供たちに自然の中でいろいろな体験をしてもらう、冒険基地。もともとは炭坑があった森の中に建っています。昔からの友達、伊藤さんがその仕事をしており、ここにはピアノもある素敵なホールもあるのに、まだ音楽コンサートをやったことがないらしく、いいタイミングで今回の話を決めてくれたのです。札幌から2時間以上かけて登別へ。『登別』と聞けば、温泉と旨いモノなイメージですよね!早速スーパーで地元の旨いもん探し。でも思わず『自立式鍋蓋のツマミ』を買ってしまいました。便利そうやったから…。皆に何で登別まで来て!と言われながら…。そして山へ車を走らせ、やっと到着。鳥の声、森の空気が気持ちイイ。伊藤さんご夫妻やスタッフの皆さんが笑顔で迎えてくれました。森の中らしく、大きな本物ののこぎりをディスプレイとして飾ってくれたり、手作り切り株イスがいい感じ。早速、準備をしてコンサートスタート。予想をはるかに上回る80人以上のお客さんが来てくれて、半分は子供たち!元気いっぱい!のこぎり体験ワークショップも入れつつ、大いに盛り上がりました。

終わって、さあ温泉だ〜!スタッフに「すぐ近くにあるから」と聞いていたのですが、北海道の人の「近く」はどんだけ遠いんじゃ!温泉入って往復で2時間以上はかかりましたよ〜。でも、ゆったりとした時間を過ごせたよ、最高!
ネイチャーセンターには宿泊施設もあり、今日はそこで泊まり。メンバー&スタッフ20人以上の大宴会!地元のお母さんが作ってくれた煮物や、山の幸、思い出しただけでも目頭が熱くなり、喉が鳴ります。スタッフの皆さんと話してて、このネイチャーセンターの山奥の川の上流に、湧き出て川に流れ込んでいるスゴイ「秘湯」があるよ、入れるよという話になりました。うわ、登別の秘湯!それは行ってみたい!でも、次の日は小樽入りが2時ごろなので、もし行くとしたら朝、6時起きくらいじゃないと間に合いません。起きれるか…。

はい、起きれました。また、雲一つない素敵な朝。う〜ん、朝の森の空気って気持ち良いいなあ。今度、家族も連れてまた来よう。池ちん、竹中さんとスタッフ方々で、軽トラに乗り、山道をぐんぐん入り、車では入れない所からは川辺を歩いて上流へ。自然を愛しているスタッフの皆さんが、山の草花を説明してくれる、そのキラキラした感じ!本当に素敵な人たちだな〜。で、やっと到着!うわあ…。正にこれは秘湯…!神秘的な空間でした。楽しい朝を過ごし、別れの時。寂しいけど暖かいなあ〜。ネイチャーセンターのスタッフの皆さんが別れ際、車に向かって手を振りながら走って来て涙…、かと思いきや、車を追い越すシーンも(笑)。オイっ!さよなら〜、また帰ってきますから!

さあ、一路、小樽へ。この移動は時間かかるんです。池ちん、裕ちゃん運転、ご苦労様です!ありがとう!絶景の山を見ながら、何故か、岡山、名古屋、大阪、いろんな地方の友達から携帯にジャンキャン電話が。というのは、砂川はーもにーでのライブの様子を地元のTV局が取材に来てくれてたんだけど、それが廻り回って全国で放送されたらしい!「見たよ〜、がんばってるね〜って。」嬉しかったなあ。
小樽では、すでにいでちゃん、賢ちゃんが入ってくれてて、セット完了。いでちゃん、イイ演奏をしてくれることももちろんなんだけど、いつも感心するのは、大量にあるパーカッションのセッティングの早い事!いつも、パッと振り返ったらもう出来てるし、次の瞬間片付いてる(笑)。皆さんに改めてお見せしたい、you tubeに上げたいくらいです。
そして今日はスペシャルゲストに、サンポーニャという南米の笛の奏者・岡田浩安さんをお呼びして!岡田さんは札幌在住で、大阪で、何度かご一緒したことがあり、その素晴らしい音楽にすっかりファンになったのです。どこかでご一緒できたらいいなと思っていたので、嬉しい限りです。
ここは、元倉庫。大きな響きが魅力的。ゆったりした曲はもちろんバッチリだけど、リズミックな激しい曲がどうなるかが、少し気になりました。でも、今回お願いする音響の坂本さんが、いい案配で音をまとめてくれました。サンキュー。いい雰囲気のちょっと大人な夜でした。

泣いても笑っても、最終日。札幌といえば時計台!そこに木造の素敵なホールがあるのです。夢のように素敵な場所で、この数日間、一緒に音楽を作り、楽しい時を過ごして来た大好きな仲間と最後のコンサート。朝起きた時からコンサートが終わった時の事をちょっと想像しただけで、泣けてきそうになってしまった。いやいや、がんばらねば…。
時計台ホールは、時計台だけあって時間に厳しく(笑)、5時半の一般のお客さんの閲覧が終わった時点で、メンバー・スタッフが一気に会場に入り、セッティングし、6時会場、6時半開演!コンサートが終わり、9時には完全撤収という、タイトすぎる時間割り。フルバンドを30分でセット、サウンドチェック、リハーサルは普通はあり得ない。そこで、大いに力を貸してくれたのが、ハグネットさんたち。チケット(何とのこぎり型!)から、荷物運び、チームプレイで支えてくれました!ここに上げている写真もハグネットの津村さんに素敵なをいっぱい提供してもらいました。本当にありがとう。無事、会場し、オープニングアクトをやってくれるキッコリーズスペシャルの出番を待っている間、楽屋に訪ねて来てくれた、いや、気付いたらすでにそこに立っておられた福ちゃんのお母さん、いい味だしてたなあ〜。福ちゃん、ピアノセンス抜群だし、演奏中はカッコいいけど、普段、何かおもろいんよね〜。雰囲気、リスっぽいというか…。不思議な魅力のある人ですが、お母さんはもっと凄かった。メンバー間でも有名な人らしい。


お客さんがどんどん詰めかけてくれ、会場一杯に。ありがとう!熱くなってきたから、会場の窓を開け放ち、気持ちのいい風を吹かせながらの時計台ホールコンサート。終わるな!もっと続いてくれ〜、という気持ちで一杯なのに、時間は過ぎて行ってしまう。切なくて嬉しい時間。僕はここに合わせ、新曲を書きました。「愛するすべての人たちへ」これは、実は今年の3月に生まれた僕の息子の事を考えていたら浮かんで来た曲なんですが、いや、待てよ、息子はもちろん愛しいけど、彼だけじゃなくて、家で留守を守ってくれている奥さんとか、関西の音楽仲間、スタッフ、そして今回一緒に音楽を創ってくれたキッコリーズスペシャルのみんな、スタッフ、親、友達、お客さん、わ〜、皆に支えられてるやん、わ〜、ありがとう〜、愛しいってこれやん!という想いが溢れだして完成した曲。時計台、最終日には絶対やろうと思っていました。最後、その話をして演奏はじめたら、今回や今までの楽しい想い出がまさに走馬灯のように頭をかけめぐり、思わず泣いてしまいましたよ。カポウさんも泣いてた。2人とも、「のこぎり弾いたまま泣く」のは初めてやね〜って。今回も最後は「光のさす方へ」。僕が皆からもらった強く暖かいパワーを、音楽として聴いてくれる人に届けたい。

今回はこんなステキな北海道ツアーでした。皆さん、本当にありがとう!今、改めてザーっと読んで見たら、あんまりコンサートの内容の事は書いてないな…。演奏してない時のことばっかり。そういえば、竹中さんが、帰りに「演奏してない時もミュージシャンはずっと演奏してるんや」と、ポツリ。そうだなあ、こういういろんなドラマが、また音楽を生むんだよな。